(1)愛着が育ちにくい

 愛着とは、不安や恐れを抱いた時に、特定の他者(特に保護者や近親者)にくっついて安心感を得ることです。愛着は、情緒的安定感と安心感の土台になります。
 発達障害児は、愛着が育ちにくいため、保護者や先生が、時間をかけて丁寧に、しっかり愛着関係を作ることが大切です。
 「怖いけど、お母さんが側にいるから安心」「パニックになったけど、先生が大丈夫と言うから大丈夫なんだろう。」という関係をつくることが情緒の安定につながります。

(2)生活のリズムが乱れやすいことがある

 睡眠・食事・運動は、脳の成長発達を促すために欠かせないものです。しかし、もともと生活リズムが乱れやすい子供がいます。このような場合、子供のリズムに合った習慣をつけるようにし、規則正しい生活に導いていきましょう。
 例えば、日中テンションが高く、夕食の時間になると眠くなってぐずったりする場合は、早めに夕食の時間を設定し、生活リズムを整えていきましょう。

(3)身辺自立が遅れやすいことがある

 発達障害児は、歯みがき、洗顔、入浴がうまくできず、困っている場合があります。「皮膚が敏感」「シャンプーの臭いが苦手」「体を洗う方法がわからない。」「水に対する嫌な記憶がある。」など、知覚過敏や認知の問題が関係していることがあります。
 子供が悩んでいる原因に目を向け、柔らかめの歯ブラシを使用するなど道具を工夫したり、「体のどこを、何回洗う。」などわかりやすくイラストで示すなどの工夫をしましょう。

(4)「仲良し」が上手くできないことがある

 発達障害児は、言葉の真意を読み取ったり、素振りなどから相手の気持ちや考えを想像することが苦手です。相手の様子があまり目に入らなかったり、自分の好きなことに夢中になってしまい、勝手な行動をしてしまうこともあります。
 もともと、感情を共有することも苦手で、自分の希望や要求が中心になるので、玩具や道具を一緒に使ったり、貸し借りすることが苦手な子供もいます。意地悪な性格や独占欲が強いのではなく、そうするのが当然だと思ってしまうのです。
 「どう行動したら良いか?」について練習を重ねることでわかるようになります。
 例えば、少人数グループで遊ぶ、十分な量の玩具や道具を準備する、マークやしるしを活用する、使う順番を張り出す、あるいは、「貸して」「どうぞ」のやり取りをタイマーで時間を区切って練習するなど、いろいろな工夫をしてみましょう。

(5)不安が強いことがある

 発達障害児は急な予定変更や不意打ちが苦手で、知らない人や慣れない場所では過度に不安になったり緊張することがあります。一度「怖い」と思ってしまうと、その気持ちがうまく処理できず、さらに不安が強くなってしまいます。
 これは、脳の中の感情の中枢である「扁桃体」の働きが過敏になっている状態と推測されています。
 子供の不安や緊張を軽くする関わり、つまり、予告やお知らせをきちんとしたり、「急だけど大丈夫」と説明したり、驚きを慰めたりして、安心できるように働きかけましょう。

(6)かんしゃく(癇癪)や八つ当たりが強いことがある

 「自分の思い通りにうまくいかなかった。」「一番になれると思ったのになれなかった。」などの残念な気持ちの処理が苦手で、かんしゃくを起こして物を投げたり、無関係な年下の子供を叩いたりすることがあります。あまり回数が多いと医師に相談する場合もありますが、通常は、「もう一回やろう!」と再チャレンジさせたり、「負けたけど立派だったよ。」など、慰めたり励ましたり、また、「ご褒美シール」をあげたりして、残念な気持ちを処理できるように関わりましょう。
 小さい頃から勝ち負けの両方を体験できる機会を持つようにしていきましょう。

(7)やる気や関心があると能力倍増

 やる気や関心があると、持っている以上の力を発揮できます。反対に「やっても、どうせできない」「やりたくない」という気持ちの時は、本来持っている力も発揮できません。おもしろさと関心を伝えることが大切です。
 発達障害児では、特に褒めてやる気を引き出すことや、小さな成功でも周囲の人たちが一緒に喜ぶことが大切です。成功体験と関心を積み重ねていきましょう。

(引用元:東京都多摩府中保健所「発達障害のある子どもへの対応」)